美学・表象文化論

  • 文芸・思想専修
  • 比較文明学専攻

主な研究テーマ・関心

ユダヤ系フランス人女性シモーヌ・ヴェイユ(Simone Weil, 1909-43)の思想を主軸に据え、比較思想・比較文学の視点から、映画と文学を中心に〈詩学〉の可能性を探究しています。近年は、とりわけ、女性の映画監督・作家、あるいは、映画や文学における女性の表象に焦点を当てて、広義における耽美主義を研究しています。

近年の講義・演習テーマ例

・文学と視覚的イメージをめぐって(入門演習)

・美の諸相をめぐって(演習)

・観念のエロス(演習)

経歴・業績

東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。著書に、『シモーヌ・ヴェイユの詩学』(慶應義塾大学出版会、2010年)、『映画の詩学』(世界思想社、2021年)、責任編集に、『現代詩手帖特集版 シモーヌ・ヴェイユ』(思潮社、2011年)、訳書に、ミクロス・ヴェトー『シモーヌ・ヴェイユの哲学』(慶應義塾大学出版会、2006年)、シモーヌ・ヴェイユ『前キリスト教的直観』(法政大学出版局、2011年)、『シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー』(河出文庫、2018年)、『神を待ちのぞむ』(河出書房新社、2020 年)などがある。

メッセージ

湖の水面に波紋が広がってゆくように、路地での不意の出会いのように、自分を超えたものに己れが突き動かされるとき、人は自らの生を創造していると言えるでしょう。人文学は、プラトンの『饗宴』がそうであるように、18世紀ヨーロッパのサロン文化がそうであるように、何かとの邂逅による〈ひらめき〉がどう自らのうちに宿り、どう表現されうるのかによって深さと広がりをもってゆく、美しい調べです。

日本政治思想史、政治文化論

  • 文芸・思想専修
  • 比較文明学専攻

主な研究テーマ/主な関心

専門は日本政治思想史、政治文化論、メディア論、文芸批評。これまで学術研究の対象としてまともに取り上げられることの少なかった近代の恋愛論、性愛学、「変態」概念の変遷など、周縁的なもの、マイナーなものに強い関心を持って研究を行っている。

近年の講義・演習テーマ例

・多様な文献を読んで考える(入門演習)
・美術と日本の近現代(演習)
・流行・迷信から読み解く日本近代(演習)

経歴・業績

1963年、神奈川県生まれ。1991年、慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。放送大学講師、琉球大学法文学部教授などを経て現職。著書に『消費される恋愛論 大正知識人と性』(青弓社)、『〈変態〉の時代』(講談社)、共著に『「天皇」から「民主主義」まで――政治概念の歴史的展開 第9巻』(晃洋書房)など。

メッセージ

大学で教えるにあたって、一生錆びない知力を身につけてほしいと願っています。それは人生を切り拓く最良の武器となるはずです。文芸や思想は、美術や音楽などあらゆる表現ともつながっています。マンガやファッションなど、一見学問の対象にならないと思われる素材も、料理の仕方次第で十分にアカデミックな研究となります。マニアックな趣味を持つ君、知的好奇心旺盛なあなた、一緒にスリリングな知的体験をしましょう。

フランス現代哲学、社会思想史

  • 文芸・思想専修
  • 比較文明学専攻

主な研究テーマ/主な関心

主に、現象学、社会思想、倫理学をまたがる領域のなかで、哲学者としては、E.レヴィナスをはじめ、J.デリダ、J.-L.ナンシー、J.-P. デュピュイ、S.ヴェイユ、C.ルフォールといったフランス現代哲学、M.ハイデガー、H.アーレント、G.アンダースといったドイツ現代哲学に関心を寄せてきました。近年はドローンやAIなどの現代科学技術や、介護とケア等に関する哲学的・倫理学的考察にも関心があります。

近年の講義・演習テーマ例

・テクスト読解・アカデミックライティングの基礎を学ぶ(入門演習)
・ 「西洋哲学」で「哲学する」(哲学概論)
・映画で考える「哲学」(哲学への扉)
・ドローンを哲学する(演習)

経歴・業績

1980年、福島県生まれ。パリ第7大学博士課程修了。著書に『終わりなきデリダ』(共著、法政大学出版局)、『カタストロフからの哲学』(共著、以文社)、『アーレント読本』(共著、法政大学出版局)、訳書にジェラール・ベンスーサン『メシア的時間』(共訳、法政大学出版局)、グレゴワール・シャマユー『ドローンの哲学』(明石書店)、『エマニュエル・レヴィナス著作集』(共訳、法政大学出版局)、クロード・ルフォール『民主主義の発明―全体主義の限界』(共訳、勁草書房)、ジャン=リュック・ナンシー『フクシマの後で』(以文社)など。

メッセージ

「哲学する」ことは、難しい哲学書を読んだり、ややこしい概念の名前を覚えたりすることばかりではありません。人間(や動物や機械等々)のふだんの生活、現代社会のさまざまな問題について、先人たちの洞察を借りつつ、「当たり前」とされることをあらためて問いなおし、「考える視座」を養うことが重要だと思います。

創作論・文芸批評

  • 文芸・思想専修
  • 比較文明学専攻

主な研究テーマ/主な関心

中心とする分野は現代詩。詩の他、小説やエッセイなどを執筆している。また、それらに基づき、詩論や書評等、文芸批評もおこなっている。日本語における詩と散文の関係、韻文と散文の関係を考え、日本語表現の現在とこれからを探求することを目指して活動を展開している。

近年の講義・演習テーマ例

・創作演習・詩文について(入門演習)
・創作演習・詩表現(演習)
・創作演習・文章表現(演習)
・詩創作論 詩・詩論の読解と実作(文学講義)

経歴・業績

1974年、神奈川県生まれ。詩人・作家。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。詩集に『いまにもうるおっていく陣地』(紫陽社、第5回中原中也賞受賞)、『食うものは食われる夜』(思潮社、第56回芸術選奨新人賞受賞)、『顔をあらう水』(思潮社、第7回鮎川信夫賞受賞)など。小説に『紅水晶』(講談社)、『転身』(集英社)など。文集に『孔雀の羽の目がみてる』(白水社)、『空席日誌』(毎日新聞社)、『おいしそうな草』(岩波書店)など。書評集に『朝毎読』(青土社)、童話に『のろのろひつじとせかせかひつじ』(理論社)など、絵本に『うきわねこ』(絵/牧野千穂、ブロンズ新社、第59回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞)など。古典の現代語訳に『方丈記』(光文社古典新訳文庫)などがある。

メッセージ

哲学や文学には、人類の歩みが蓄積されています。自分なりのものの見方や考え方を切り拓く方法を、求める姿勢から生まれるものは少なくないはずです。書物に触れ、言葉を読み、考えること。言葉に書くことではじめてまとまる思考や、書くうちに出現する世界があります。それらは、現代社会に所属する一人一人に、生きる手掛かりをもたらすでしょう。学ぶことのできる時間をどうぞ大切にしてください。

中国近世(宋・明・清)哲学思想、歴史論

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  • 比較文明学専攻

主な研究テーマ/主な関心

朱子学や陽明学、明末清初の経世致用の学など、近世儒教思想を中心とする中国哲学が研究対象。政治・倫理・歴史といったテーマにかかわる中国哲学のテクスト群から、自己と他者の関係をめぐるクリティカルな考察を掘り起こし分析する。最近は文献学的資料整理も志している。今までだれも整理したことのない、必然的にマイナーな資料について、それが生み出されたときにもっていたはずの意味を再確認したい。

近年の講義・演習テーマ例

・中国古典詩から詩と思想を考える(演習)
・中国思想を通史で学ぶ(哲学概論)

経歴・業績

東京大学人文科学研究科中国哲学専攻博士課程単位取得満期退学。山口大学人文学部助教授を経て現職。著書に『「封建」・「郡県」再考-東アジア社会体制論の深層-』(思文閣出版、共著)、『比較史のアジア 所有・契約・市場・公正』(東京大学出版会、共著)、『哲学の木』(講談社、共著)など。

メッセージ

私は中国思想の研究者で詩も小説も書きませんが、文芸・思想専修の一員になって以来、文芸と思想とのつながりを考えるようになりました。この専修で勉強する人には、単に表現したいことを表現するのでなく、表現する内容を吟味し洞察する力を身につけてほしい。異文化の思想との対話をとおして自己を相対化することもまた、その一助になるはずです。

ラテンアメリカ思想文化、ポストコロニアル批評、文化論

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主な研究テーマ/主な関心

さまざまな表象媒体をつうじて構成・解体・再構成される文化的・社会的イマジナリーの分析や、身体と言語表現を切り結ぶ多様な文化生産に興味があります。また、亡命、ツーリズム、難民、移民など、多様な越境経験のもとで生みだされる文学、映像、音楽、民族誌といったさまざまなテクストを読み解いていくことにも関心があります。

近年の講義・演習テーマ例

・近現代の様々な短編作品に触れる(入門演習)
・『ロビンソン・クルーソー』をポストコロニアル批評から読む(演習)
・文学テクストとは何か 文学批評理論を学ぶ(演習)
・『ペドロ・パラモ』(ラテンアメリカ現代文学の古典)を読む(演習)
・文化翻訳論 ラテンアメリカ世界とヨーロッパ世界の接触領域(文学講義)

経歴・業績

東京都生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。明治大学政治経済学部助教授を経て現職。著書に『接触と領有』(未來社)、『歴史を問う──歴史が書きかえられる時』第5巻(岩波書店、共著)、『ラテンアメリカの女性群像』(行路社、共著)、『アメリカの光と闇』(御茶ノ水書房、共著)、『芸術は何を超えていくのか』(東信堂、共著)、『津波の後の第一講』(岩波書店、共著)など。

メッセージ

ふと気がつくと、本屋やDVDショップでいつも同じ棚の前に立っていたりしませんか? 新しい文学作品や映画にチャレンジしてみたくても、どれを選んでいいかわからない。日々、情報の怒濤に翻弄されるうちに、いったい自分は何を読みたいのか、どんな作品に触れたいのか、それ自体わからなくなっていたりしませんか? 情報や出版物の荒波を軽やかにサーフするための自分だけのオリジナルな指針を手に入れたい。文学賞や店先のポップに頼るのでない、独自の選択眼と分析力を身につけたい。もしそう願うなら、文芸・思想専修は、そんなあなたのための学びの場です。

文芸評論、表象文化論、中国文学

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主な研究テーマ/主な関心

近世からポストモダンに至る東アジアの社会的文脈を踏まえながら、日本文学の歴史を再考することが目下の研究テーマ。狭義の文芸批評にとどまらず、日中のサブカルチャーや演劇など幅広いジャンルで批評活動を展開中。

近年の講義・演習テーマ例

・批評と日本 批評家たちの日本論(入門演習)
・ポストモダン日本の批評を読む(演習)
・映像と批評 90年代以降の社会・映像・批評(演習)
・マンガ/アニメ表現論 大衆文化(サブカルチャー)への理論的視座

経歴・業績

1981年京都市生まれ。文芸評論家、中国文学者。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。京都大学、京都造形芸術大学で非常勤講師を経て現職。著書に『神話が考える――ネットワーク社会の文化論』(青土社)、『復興文化論――日本的創造の系譜』(青土社)。2014年、『復興文化論』で第36回サントリー学芸賞(思想・歴史部門)を受賞。

メッセージ

文化・芸術・思想との出会いは、ときに計算を超えた「事件」になり得ます。狭小なアイデンティティは一度投げ捨てて、事件の匂いを嗅ぎつけること。そのために大学を利用すること。「理論とは道具箱のようなものだ」という哲学者ドゥルーズの言葉をもじって言えば「大学とは道具箱のようなもの」です。大学に潜む道具類を使いつぶし、たとえ貧しくとも新鮮な風景に身をさらすべく、ともに学んでいきましょう。

インド哲学、仏教思想、日本哲学

  • 文芸・思想専修


主な研究テーマ/主な関心

西田幾多郎の哲学。鈴木大拙の禅。人間・自然・神が関わりあう「場所」。

近年の講義・演習テーマ例

・自然学の方法―大拙・西田・九鬼・和辻・今西・唐木―(演習)
・社会的人間存在論―和辻哲郎『人間の学としての倫理学』を読む(演習)
・ローカリズム原論―映画に見るローカリズム(演習)
・場の人間学―西田幾多郎『善の研究』を読む(演習)

経歴・業績

1972年千葉生まれ。金沢大学大学院博士後期課程(比較思想)満期退学。インド・プネー大学大学院国費留学。金沢大学非常勤講師、石川県西田幾多郎記念哲学館専門員・学芸課長を経て、現在、同館副館長。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科准教授。著書『鈴木大拙の言葉 世界人としての日本人』(朝文社)、『鈴木大拙/大拙の言葉』(金沢市国際文化課)、共著『鈴木大拙と日本文化』(朝文社)、編著書『西田幾多郎の世界』(石川県西田幾多郎記念哲学館)。

相原博

哲学

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美術史

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